お墓じまいの基本的な流れと費用について
お墓じまいとは、墓石を撤去し、墓所を更地にして使用権を返還する手続きのことです。
お墓に納められているご遺骨を、手続きをせずに移動させたり廃棄したりすることは法律で禁止されており、行政の手続きが必要です。
また、新しい納骨先の選定が含まれます。
お墓じまいをする背景として、地方の過疎化や少子化の影響で、継承者がいない無縁墓が増加しています。
供養に関する価値観の変化もあり、「子どもに負担をかけたくない」、「お墓が遠方でお墓参りが難しい」といった理由からお墓じまいを検討する方が増えています。
お墓じまいには様々なステップと費用がかかりますが、トラブルを避け、円滑に進めるためには計画的な対応が必要です。
今回はお墓じまいの基本的な流れと費用感を8つのステップにまとめ、トラブルを未然に防ぐための対策についても解説します。
目次
- STEP1 親族間での相談と同意取得
トラブルを避けるためには、事前に親族間での相談と同意が重要です。
特に、費用負担やお骨の供養方法などについての相談が足りないと、トラブルに発展しやすくなります。
費用相場:無料~
- STEP2 改葬に必要な手続きや書類の確認
各自治体によって手続きが異なるため、確認が必要です。
ホームページなどで確認できます。
費用相場:無料~1,500円
書類を郵送する場合は、数百円必要です。
補助金の有無も確認しましょう。
- STEP3 墓地管理者への通知と埋蔵証明書の取得
墓地管理者にお墓じまい・改葬の意志を伝え、「埋蔵証明書(埋葬証明書)」の発行を依頼します。
墓地管理者は、寺院墓地の場合はご住職。
公営・民間霊園の場合は霊園管理事務所。
共同墓地の場合は墓所の管理組合が設置されていたり、住民の当番制になっていたりします。
墓地管理者が不明な場合は、墓地所在地の自治体に問い合わせて確認してください。
費用相場:無料~
埋蔵証明書の取得は数百円程度かかることがあります。
お布施費用・離檀料:無料〜20万円
法要の金額の2〜3倍が目安とされていますが、地域やお付き合いによって異なります。
- STEP4 新しい納骨先の決定
新しい納骨先を検討し、契約を完了します。
最近では、永代供養や樹木葬が人気です。
契約後に「受入証明書」の発行を依頼します。
費用相場:5万円~250万円
お墓の種類により異なります。
- STEP5 改葬許可証の取得(行政手続き)
現在の墓地所在地の自治体から改葬許可証を取得するための手続きを進めます。
費用相場:数百円~1,500円
- STEP6 墓石の閉眼供養とご遺骨の取り出し
お寺に閉眼供養を依頼し、墓石解体前に法要を実施します。
その後、石材店による撤去作業が行われます。
費用相場:3万円~10万円
お寺により異なりますが、要相談となります。
- STEP7 墓石の撤去・解体工事と使用権の返還
石材店により墓石の撤去・解体工事が行われ、更地に戻します。
使用権の返還手続きも同時に進めます。
費用相場:20万円~
解体工事にかかる費用と墓地の更地化にかかる費用が含まれます。
- STEP8 ご遺骨の新しい納骨先への納骨
新しい納骨先にご遺骨を納骨し、墓地管理者に改葬許可証を提出します。
費用相場:3万円~10万円
新しい納骨先により異なります。
法要にかかる費用も考慮しましょう。
- トラブル対策
◆ 親族間のコミュニケーション
お墓じまいにおいて最も重要なのは、親族間のコミュニケーションです。
トラブルを未然に防ぐためには、事前に同意を得ることが欠かせません。
相談不足がトラブルの原因となることもあるため、細心の注意が必要です。
◆行政手続きの確認
各自治体で手続きが異なるため、事前に確認を怠らないようにしましょう。
補助金の交付制度がある場合もありますので、自治体の窓口に問い合わせることが賢明です。
◆墓地管理者との円滑な連携
墓地管理者(寺院や霊園)との円滑な連携が大切です。
丁寧な説明と事情の共有は、トラブルを未然に防ぐポイントとなります。
◆解体工事のプロに依頼
墓石の解体工事は専門的な技術が必要です。
信頼できる石材店や業者に依頼しましょう。
安価な業者への依頼はトラブルの元となります。
- まとめ
お墓じまいは慎重な計画と専門的なサポートが必要なプロセスです。
親族との円滑なコミュニケーションや専門業者の選定が、トラブルを未然に防ぐ鍵となります。
合わせて、行政手続きの把握や費用感の理解が、よりスムーズなお墓じまいを実現します。
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